ロゼワインの歴史~カジュアルワインとして、そしてこれから

フランスではすでに白ワインの消費量を超えているロゼワイン。日本では人気でも消費量でもまだまだ低く認知されていないのが現状です。

しかし世界を見渡すとここ10年以上ロゼワインの消費量は他のスティルワインに比べて劇的に伸びています。

そんなロゼワインにはどういた歴史があるのでしょうか?赤ワインや白ワインに比べると資料がとても少ないロゼワインですが、その歴史を簡単に見ていきましょう。

記録に登場したての”ロゼワイン”

16世紀後半のワイン製造ではしばしば異なる土地にて育ったワインのブレンドによって作られていました。

農業研究者のOlivier de Serres(1539~1619)は、異なる5~6種類のワイン品種を同じぶどう畑に植えることを推進していました。それによって農作物の不作や災害を防ぐ効果があるとときました。

そのようなぶどう品種の混合はブドウ成熟の進み具合にももちろん影響したようです。すべての品種が同じように成熟しないために、収穫の際に一方のぶどう品種は十分に熟していて、もう一方は未熟な状態にあったと考えられます。

初期の頃の”ロゼワイン”はClaretと呼ばれていて、十分に熟したブドウ(果皮が黒い)と未熟なブドウ(果皮が明るい)のブレンドによって登場したと考えられています。

時代が下って17世紀中頃にロゼワインの色バリエーション分類について記帳な文献を残したのがLa Framboisiereです。彼の本”Les Oeuvres”にて色によってワインを3つに分類しています。

白ワイン、Claret(1種のロゼワインと考えられる)と赤ワインです。更に興深い事に下記のようにも記載しています。

Claretは他の2つのワインの中間の色であるから、他の2つのワインよりも秀でている。

当時は現在のロゼワインの印象とはかなり違ったようですね。

19世紀には赤ワインの製造方法が著しく改善したのを境に、明るめの色のロゼワインの人気が下降線することになったようです。

ワインとして真剣に捉えられていなかった冬の時代

 20世紀初頭にはフランスのロゼワイン製造はワイン全体の約10%ほどありました。

戦後の1950年代には短いながらも第一次ロゼワインブームがヨーロッパとアメリカにて起こったようです。しかし悲しいことに赤・白ワインに比べて、ロゼワインは”シンプルで簡単なワイン”というイメージを払拭できなかったようです。ロゼ・ダンジュ(Rose D'Anjou)とピンクのシャンパニューが人気になったのもこの時代です。

1971年にはJulian JeffsがThe Wines of Europeの中で市販されているロゼに対し

とても安いピンクワインは間違いなくフランスで白ワインと赤ワインを混ぜ合わせて作られている

 当時はどうやらそういった粗悪なロゼワインが作られていたこともあったようです。現在では赤と白を混ぜ合わせたロゼワインの製造法はヨーロッパでは認められていません。

製造方法の洗練と黄金時代の始まり

1986年に行われたロゼワインだけのテイスティング評論会がロゼワインの評判におけるターニングポイントになったようです。下記はマスターオブワインのMaureen Ashleyが雑誌のDecanterに記した文章です。

”ロゼワインは本格的なワインでないとみんな知っている、そうではないでしょうか?もしくは、もっと厳密に言うのであれば”本格的な”ワインを飲む人はロゼワインなんて飲まないですよねぇ?”

けれどもそれはなぜでしょうか?

確かに私達は一つのロゼワインのイメージが悪いからといって、他のロゼワインを偏見の目で見ているわけではないでしょう。またロゼワインは見た目がかわいいから、味も”かわいらしい”とバカ正直に信じているわけでもありませんね。

けれども往々にして私達はロゼワインを飲まないのです。

 重要な点はアシュレイがロゼワインを白ワインや赤ワインの様にワインとして真剣に捉えた点です。この会において真剣にテイスティングされたことで、ロゼワインが今後真剣に評価される時代が訪れたと言えるのではないでしょうか。

またアシュレイはこうも言っています。

本物のワインと捉えるべきロゼワインが確かにあります。

単にワインの初心者に可愛らしく見えるロゼワインではなく。

1980年代がロゼワインの復権の年とすると、1990年代はロゼワインが着実に評価を上げた年と言えるでしょう。

1999年にロゼワインにとって記念すべき組織が設立されます。
Centre de Recherche et d'Exprerimentation sur le Vin Roseです。世界に先駆けてフランスでロゼワインの研究開発を行う機関が登場しました。

ロゼワインの製造方法と品質が少しずつしかし着実に行われていきます。

第二次ロゼワインブームから現在へ

2007年にロゼワインの製造が今までにないくらい増加します。そしてそれに伴ってロゼワインのマーケティング活動も活発になります。

2007年から現在までロゼワインの消費量は年々増加の一途をたどっています。

参考文書:Rose Understanding the Pink Rose Revolution by Elizabeth Gabay
*ロゼワインについての日本語での書籍や記述は非常に少ないのが現状です。このロゼワインについて本はロゼワインについて理解するのに最適な文献になっています。

 


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